巴町の大きな栗の木の下で

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2016年 01月 13日

浜松三ツ星会と交流会と猪の屠殺

昨日は夜の営業をお休みして、浜松の天竜二俣にある竹染さんで猪の屠殺と浜松で食の活動をしている料理人さん達と交流会に参加してきました。

この竹染さんの片桐氏は一年を通して、森や川に生息する動物を捕獲・殺生・解体・調理をする方です。

片桐氏は命あるものを殺生し、命を頂くと言うありがたみを皆に伝えてくれました。

片桐氏は猪や鹿なども捕獲する際、罠を使用します。
銃などは使わない猟です。
それには訳があります、銃などでは動物は逃げ身体にストレスを感じているところを、射殺されます。
射殺では肉にストレスも残り、血抜きも上手くいかず内臓にも血が回ります。
この捕獲方法が良い悪いではなく、片桐さんは食する動物を、いかに美味しく頂くかが考えの一つにあるのではないかと自分は感じました。
実際、食すると猪の肉がこんなにも綺麗な色、臭みのない味、柔らかさを堪能出来るのは捕獲方法にあるのだと思います。

片桐さんは毎日山へ仕掛けた罠(くくり罠)を見て回ります。
餌などでおびき寄せる仕掛け箱罠とは違い、脚にワイヤーが引っかかる罠になります。
このように脚が乗っかるとバネで引っかかります。
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毎日、回るのは捕まった猪が死んでしまってはいけないので、生きたまま捕獲します。
生きたまま捕獲するにはどうするかが、一つ重要なところです。
罠にひっかかった猪は暴れます、興奮状態を殺してしまっては肉に臭みも回り、血抜きが出来ません。
命がけの捕獲になります、ワイヤーにひっかかっているので、距離を取り口に新たなワイヤーを引っ掛け、牙に襲われないようにします。
猪の牙は上の歯(上に反り返った歯)を利用して下の牙を鋭利な歯に砥ぎます。
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口を封じたら、後ろから馬乗りになり、ガムテープで目を隠し身動きを取れなくします。
野生の動物は目を隠された事が無いので、身動きが取れなくなり動かなくなるそうです。
ここまでの行動でも命がけだそうです、蹴り上げた脚が当たるだけでも、人は大変なダメージを負ってしみます。

捕獲した獣は担いで車まで行くか、特製の滑車で運んだり車にあるウインチで引き上げたりします。

運ぶ際に鬱血などしない無い事も重要です。
店隣の解体場に運び込まれた獣は目を隠されたまま一晩落ち着かせます。


※ここからの映像は血や内臓などになりますので、気分を損ねてしまう方はご覧になら無いで下さい。




まず、胸骨から心臓へ二突きしました、この際暴れたり等の行動は取りません、穏やかな状態です。獣には痛みを感じる機能を麻痺させる事が出来るとも伺いました。
理由は山で暮らすには縄張り争いで敵と闘ったり、繁殖期ににはメスの取り合いで闘います。傷を負って痛みが残ったままだと山で生き抜く事が出来無いそうです。
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血は肺に回りやがて5分ほどで息を引き取ります。

ウインチで引き上げ解体用の台に乗せ、足首の皮、腹、喉回り、と順に刃が入っていきます。
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肺に溜まった血をスポンジで吸い取り内臓にも付かないよう気をつけます。
レバーの色を見てわかるように血抜きが綺麗なので真っ赤レバー色をしていません。
本来、暴れたり血抜き前に射殺されたりしなければ、黄土色(白レバー)になるとの事。
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内臓を取り出し、一つ一つ傷をつけ無いよう順に掃除していきます。
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網脂は膵臓を包んでおり、美味しい脂です
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膵臓は一切れ神棚へ、他は捨てる(美味しくない)
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豆( )の周りの脂が美味しい

ハラミを取り出す(小さい)横隔膜は取り除く
常に動いているが筋肉がない為柔らかく美味しい(ヒレも)

レバー(色が赤くなく白い、血が回っていない為)

小腸を取る(小腸でのモツ鍋は絶品)

大腸を取る(脂がベタベタしているので破ったりは厳禁、穴がすぐ空くので気をつけて切る)
神経を使う、扱いが難し臭いので捨てたいが、しっかり掃除して使ってあげる
腸壁を破らない様包丁の先が丸まっている(手作り)

大腸からウンチを絞り出す、山里に近く無いため農作物や残飯(ゴミ)などは一切口にしてい無い、ほとんど椎の実
本来の獣は山の食べ物だけだった

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片桐さんは一つ一つ丁寧に内臓を綺麗に水で掃除していく

今、他の家畜(牛、豚他)なども屠殺場まで運ぶのに屠殺前に何日もトラックに乗り降りをさせ、家畜がビックリし無いように慣れさせているそうです。
暴れて興奮し無いように

約一時間、内臓の処理が終わると猪は腹を広げたまま、この日は一晩置いたのち、明日皮を剥ぎ部位ごとに解体するそうです。
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解体場での時間はここで終わりです

今日、この日は浜松、磐田、静岡などから沢山の料理人や食に携わる関係の方々が集まり、命を頂くありがたみを感じました。

魚も肉も野菜もそれぞれに生きて育つために、何かを食べ(吸収)栄養としていかなければなりません。
食べ物を粗末にしたり残したりし無いように心がける事が大事なのだと、改めて感じた時間でした。

片桐さん有難うございました。





おまけ

美味しい物を頂き笑顔の面々
肉が桜色です
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肉に血なまぐさが残ってい無いため、牛蒡や味噌などで臭みを消す執拗がありません。
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今回の猪は時期的にも脂がのりとても良い肉質の状態との事です。
7才の雌
片桐さんは11月1日からの解禁からこの日の猪で76頭目との事。

他にも鹿や他の獣物を獲れるそうです。






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by 173-castagno | 2016-01-13 09:16 | Comments(0)


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